読みやすい本をおすすめします。こまい歯科の本棚にもあります。
「卵を食べれば全部よくなる」著者:佐藤智春 出版社マガジンハウス
一見すると極端なタイトルに見えますが、新しい栄養学を背景に、とても読みやすい文体で書かれています。卵が嫌いな人以外全員におすすめです。
「卵を食べていますか?」と聞くと「1日1個」ならまだしも、「週に1、2個」とか「コレステロールが高いから食べては駄目、ってお医者さんに言われまして・・・」という答えがだいたい返ってきます。
結論から言うと、「卵は1日1個まで、は迷信」です。
1913年、ロシアの病理学者ニコライ・アニチコワがウサギに卵を与えたところ、動脈硬化を引き起こしたことを確認しました。こうして世界的な迷信「卵は1日1個まで」が誕生しました。この実験の何が間違っていたか?理由はウサギです。ウサギは草食動物です。ところが卵は動物性食品です。卵なんて食べないウサギに無理やり食べさせたものだから、死んだウサギもいたそうです。でたらめな実験だったのに、100年経った今になっても、未だに「卵は1日1個」と信じる人が多いのは恐ろしいことです。
こんなことになったのは1950年代のアンセル・キーズ博士の7カ国研究の影響も大きかったようです。キーズは飽和脂肪酸が心疾患の原因だと決め付けました。当時も今もアメリカ人の死因の第一が虚血性心疾患だったため、これをなんとかして防ごうと1977年マクガバン報告で米国の食事目標が設定されました。
米国全土に渡るこの壮大な実験が40年経ち、2015年に失敗であることが証明されました。
【1970年と比較して減った食物】
【1970年代と比較して増えた食物】
コーンシロップの8000%超増はすごいですね。糖質まみれです。動物性脂肪を避け、炭水化物を大幅に増やした結果、見事に人々の病気が増えてしまいました。
血中コレステロールが低い人の中にも、動脈硬化を示す人が多いそうです。
厚生労働省は2015年版日本人の食事摂取基準で、食事からのコレステロール摂取抑制目標値を撤廃しました。常識は既に変わっています。
卵はヒヨコが育つために必要なあらゆる栄養素がつまったカプセル。タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルがバランスよく入っています。いわば「天然のサプリメント」です。長寿の人が卵を毎日食べていることは有名です。皆さんも迷信を捨てて、健康のために毎日卵を食べましょう。