こまい歯科の石川です。
2年ほど前に虫歯の治療をし、その時に銀歯をセラミックに変えた患者さんがいました。
最近その患者さんが来院され私に、「セラミックに変えてから最近顔のかぶれがよくなったんです!」と、
うれしそうにお話をされていました。
御本人も金属アレルギーとは知らなかったようでした。
他にもそのような患者さんが何人かいたので今回は歯科金属アレルギーについて書いてみようとおもいます。
症状は?
口内炎、口角炎など口腔内にできるものから全身の皮膚炎、掌せき膿疱症(手のひら、特に親指の付け根から手首にかけて、足のうら、特に土踏まずの水疱)、偽アトピー性皮膚炎などさまざまです。
口腔内の金属が手、足に症状を出すとは思わない方がたくさんいると思います。
歯科金属アレルギーは遅延型アレルギーといわれ、金属に接触してから短時間にすぐ症状が出るというわけではなく、場合によっては数カ月もしくはそれ以上たってから症状が現れてくることもあります。
原因は?
一般に金属は直接の抗体源ではありませんが、イオン化することで溶出し粘膜や皮膚のタンパクを変性させてしまい、
その変性したタンパクが抗原となってアレルギーを生じさせるといわれています。
保険の銀歯はさまざまな金属が含まれています。そして、口腔内は唾液もありイオン化しやすいのです。
該当規格:JIS T 6106 「歯科鋳造用金銀パラジウム合金」(第1、2種兼用)
成分 分量
金 12.0%
パラジウム 20.0%
銀 48.0%
銅 17.0%
その他 ※3.0%
※亜鉛、イソジウム、錫
治療法は、原因である金属を除去し、アレルギーのでない材料に変えることになります。
しかし、効果が表れるのは遅いと数年かかるかたもいらっしゃいます。
ですので、上記のような症状でお悩みの方は皮膚科や歯科医院で御相談し適切な治療を受けることをお勧めします。