こんにちは!(・∀・)
こまい歯科 佐藤です。
今回は根の治療にまつわる、不思議な(?)お話です。
歯の根の中で細菌が繁殖して、根の先に膿がたまってしまうと、
・歯ぐきにニキビのようなできものができて、変な汁がでる。
・食べ物を噛むと痛い。
・疲れたり体調が悪い時に歯が疼く。
・口の中で変なニオイや味を感じる。
等の自覚症状を感じることがあります。
これらは慢性炎症状態といって、多くの場合、自覚さえしないことがあります。
さらには、私自身も経験があるのですが、
・突然、顔が腫れあがって激痛を感じる。
といった急性炎症に発展することもあります。
さて本題です。
先日、ものをかむと痛い、と訴えのある患者さんの根の治療を行った時のことです。
治療開始時
根の周りに黒っぽく隙間が空いているように見えますが、これが炎症を示しています。
根の治療終了時
根の周りの隙間が消えました。
根の治療を始めて約2週間、
「10年来、針金が通っていたような、肩のハリがなくなった!」
「生活習慣や年齢の影響だと思い、まあしょうがないかとあきらめていたことが、
まさか歯の治療をして改善するとは思いもよらなかった!」
と、驚きとともに、大変喜んでいただきました。
慢性炎症は、炎症の程度こそ低いものの、
常に免疫細胞が戦っていて、循環障害が起こっている状態なので、
周辺の神経、筋肉にも様々な悪影響を及ぼしていると考えられます。
特に顔や首回りは、多くの血管、リンパ、神経、そして筋肉が複雑に絡み合っている場所なので、
小さな炎症でも、周囲の筋肉や神経を強張らせ、それを補う為にさらに周囲の筋肉にも影響していきます。
また、血流やリンパの流れを滞らせることも、筋肉のハリやコリを誘発することになるのです。
肩や首のハリやコリのすべてが、歯が原因で起こっているわけではありません。
しかし、意外にも見落としている原因の一つが、歯である可能性もあるのです。
正直なところ、私自身も、歯の治療で、思っていた以上の成果が出せたことが、
驚きとともにとてもうれしく思っています。
歯の治療は多くの場合、外科的侵襲を伴い、少なからず体にダメージを与える宿命にあります。
だからこそ、本当に治療が必要なのかをよく考え、
そして治療をするならば、最小限で最大限の成果をもたらす知恵と技術が不可欠です。
こまい歯科では、治療にまつわる様々な話し合いの時間を大切にしています。
ともに治療のゴールを共有し、どこに向かってどんな治療をしているかを理解していただき、
毎回の通院、治療を快適なものにしていきたいと思っています。