Fross or Die
こまい歯科 佐藤です。
今回はデンタルフロスについてのお話です。
今では誰もが知っていると思います。
「あ~、あの糸のヤツね。。。薬局やコンビニでも見かけるね~、知ってる知ってる」
という反応がほとんどです。
しかしどれくらい普及し、日常的に使われているのでしょうか。
日本では約15%と言われています。
子供の頃、親に「歯磨きをしなさい!」と言われたことはあっても、
「フロスもしなさい!」
と言われたことがある人は一体どれくらいいるのでしょうか。
習慣や文化は無意識で周囲の生活環境に影響されることが多く、
個人レベルで自発的に気付き、変えていくことはなかなか難しいと思います。
アメリカの歯周病予防キャンペーンのスローガンは、
Fross or Die
いかにもアメリカ的なタイトルではありますが、
普及や定着を訴え、啓蒙するにはそれくらいのインパクトが必要なのかもしれません。
口臭、動脈硬化、心筋梗塞、呼吸器疾患、糖尿病、ED、低体重児症、、、
歯周病が全身に及ぼす悪影響を並べ立て、注意喚起をしています。
参考:
http://worldental.org/oral-hygiene/flossing-dental-health-infographic/6469/
歯科医師として、歯科医院で行っている治療は日々進化してはいるものの、
最も大切なことは、毎日のちょっとしたケアの積み重ねであり、
それを広く普及し呼びかけていくことこそが歯科医療の本来の使命ではないかと感じています。
本当に取り組むべきことは、無知、無関心なのではないでしょうか。
私自身、歯科の勉強をするまで、フロスの大切さを知らず、学生時代は虫歯に悩まされました(笑)
参考:
http://www.gcdental.jp/floss/whyneed.html
虫歯や歯周病が最も進行しやすい場所は、歯と歯の間です。
そこはフロスでしかきれいにすることはできず、歯ブラシでは届きません。
歯ブラシだけできれいに磨ける限界範囲は全体の60%と言われています。
残り40%は、どんなに一生懸命歯ブラシをしていても磨けておらず、
容赦なく虫歯や歯周病が進行していきます。
また、隠れている場所なのでなかなか目には見えず、
定期健診をしなければ、痛くなるまで進行が放置されてしまいます。
「毎日毎日ちゃんと歯磨きしているのに何で虫歯や歯周病になるの!?」
「これだけ頑張っても悪くなるのは自分の歯が弱いから。。。」
そんな声を聞くと切なくなります。
私達歯科医療の使命は、人々が日々のケアを適切に無理なく行い、
定期的に歯科医院でクリーニングや診査を受けてチェックを続けることで、
痛みや抜歯の恐怖におびえることなく、快適な人生を歩むお手伝いをすることです。
みなさんが定期的に安心して歯科医院に通える環境作りを続けたいと思っています。
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