リハビリ通信⑥~肩関節周囲炎(五十肩)~
こんにちは
永研会クリニックの理学療法士の小鳥です
あっ
小島です
連載6回目となる今回は、誰もがきっと聞いた事のある『四十肩、五十肩』についてご紹介していきます
四十肩、五十肩は俗称で、本来の名前は肩関節周囲炎と呼ばれているものです。
発症年齢として大体40~50歳頃に発症することが多いので、このように言われています。肩を中心に痛みが生じ、時に腕まで広がり、やがて自然に治っていく状態です。
原因は現在もはっきりとしたものはありません。
さて、この肩関節周囲炎には病期と呼ばれるものがあり、各段階で痛みの度合いや性質が違います。
病期
①炎症期ー炎症が鋭い痛みを引き起こします。
その痛みが筋肉のけいれんを引き起こして、痛みを増加させます。
②拘縮期ー肩を動かした時の痛みはやわらぎます。
しかし、肩関節が硬くなり、動かせる範囲がかなり制限されてしまいます。
※主にリハビリや運動はこの時からが中心になってくると思います。
③回復期ー肩関節のこわばりは少しずつ改善して来ます。
主な症状としては
①肩が痛い
②肩が上がらない
③夜に肩の痛みで目が覚める
陥りやすい注意点
①痛いのを我慢して肩を動かしてしまう
②すぐ治ると思って、病院に行かない。
③痛いから動かさなくなってしまう
以上のような動作を繰り返したり、間違った生活習慣を続けることで、炎症が長引いてしまい、痛みが悪化してしまう事が多く、治癒自体も長引いてしまいます。
一般的な治癒期間としては、様々ありますが平均して1年~2年はかかるとされています。
その間にこじらせて長引いてしまうことは多々あります。
そうならない様にする為の少しの助けになるように、ここでは、各病期にあった自宅で出来る簡単なトレーニングをお伝えします。
①肩甲骨の体操
炎症期には、少しの刺激で痛みを誘発させてしまう事が多いので、基本は安静が望ましいのですが、痛みを伴わない簡単な運動もあるので、紹介します。
肩甲骨を内側に寄せる運動です。分かりやすく肩甲骨の内側に印を付けておきました。
次に肩甲骨を内側に寄せます。
これは痛く無い範囲で行いましょう
肘を後ろに引くのではなくて、肩甲骨の間の筋肉を使って、内側に引き寄せる様に動かしましょう。
前からの画像も載せておきます。
肩が痛くて動かせない為、肩甲骨の動く範囲を維持する目的に行いましょう。
②コッドマン体操
下の写真をご覧下さい。
激しい痛みが少し落ち着いて来たらおこなってみましょう。
写真の様に、痛く無い方の手で椅子やテーブルを支えにして、上体を前に倒します。
次に垂らした腕の力を抜いて、身体を揺らして腕を回します。
続けるとこんな感じですね。
この運動は、身体を前に倒して、腕をダランと垂らす事で、姿勢を良くした時に相対的に腕が上がっている状態になるので、無理のない範囲での動かす訓練になります、
この運動の際に、注意しなければいけないことは、垂らした方の腕は、完全に脱力しているということです。決して腕の力で回したり動かしたりしない様にしましょう
それが原因で痛みを誘発してしまうこともあるので、痛みが無い範囲で行っていきましょう。
③可動域訓練
次に、痛みがもう少しおさまって来た時に行う練習です。
まずは写真をご覧下さい。
痛い方の腕の手首を持って、痛く無い方の腕の力で上に持ち上げます。
これは、動かす範囲の訓練と、筋力トレーニングにもなりますが、やはり、痛くならない様に注意しながら行って下さい。
今回一貫して言ってきた事として、
痛みを出さない様に運動して下さい。
痛みが出たら運動は中止して下さい。
ということがあります。
肩関節周囲炎にとって、痛みが出る動作というのは『悪』です。
ただ、痛みを出さないが為に動かさないのもいけません。
自分で判断するには少し難しいかもしれないので、痛みや、違和感、肩が上がりずらい等の症状を感じたら、診察を受ける様にオススメします
以上、小鳥が…あっ、小島がお送りしました。
次は、我がクリニックの受付さんによる◯◯です。
~リハビリ通信とは!?~
リハビリ通信とは永研会クリニックリハビリ科がお送りする、運動療法紹介コーナーです
運動療法とは、その名の通り身体の一部または全体を動かす治療法のことをいいます。
関節の曲げ伸ばしや筋肉のストレッチをする事で身体に柔軟性をつけたり、体操で筋肉を強くしたり、歩行訓練で体力をつけたりと様々です。
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日々の日常生活が快適で、仕事や趣味が目一杯出来ますように!!
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